炊飯器の内釜のコーティングを長持ちさせるには?剥がれる原因と避けたい扱い方

  • 内釜のコーティングが剥がれてきたが、何が原因なのかわからない
  • 内釜で米を研いだり、洗剤やスポンジで洗ったりして良いのか迷う
  • 剥がれた内釜を使い続けて良いのか、交換したほうが良いのか知りたい

炊飯器の内釜のコーティングを長持ちさせるには、硬いものを当てず、調味料や研磨剤が触れる時間を短くし、柔らかいスポンジで洗うことが基本です。コーティングは内側の表面に施したフッ素加工の膜で、メーカーは使ううちにすり減る消耗品と位置づけています。

泡立て器で米を研ぐ使い方や内釜の中で酢を混ぜる使い方は、パナソニックが保証期間内でも有料になる例に挙げており、知らずに続けると無料で交換できる機会まで失います。扱い方を押さえておけば剥がれを遅らせられ、剥がれたときにも慌てずに判断できる点が、先に知っておく利点です。

本記事では、内釜のコーティングが剥がれる原因と米の研ぎ方、洗い方、避けたい使い方、剥がれたときの交換と保証を、象印とパナソニックの取扱説明書とよくある質問をもとに解説します。

タップできる目次

内釜のコーティングが剥がれる主な原因

剥がれの原因のうち傷と傷みは減らせるの図解: 使うほどすり減る消耗、硬いものが当たった傷、調味料や研磨剤

炊飯器の内釜のコーティングが剥がれる原因は、使ううちに少しずつ進む消耗と、硬いものが当たってできる傷、調味料や研磨剤による傷みの3つです。象印は内釜を「なべ」と呼び、内面のフッ素被膜は傷がつくと剥がれる原因になるとして、ていねいに扱うよう取扱説明書で求めています。

消耗は避けられない一方で、傷と傷みは扱い方しだいで減らせるものです。原因ごとに内釜の表面で何が起きているかを知っておくと、研ぐときや洗うときに避けたい道具と動作を自分で見分けられるようになります。

炊飯器の内釜のコーティングが剥がれる原因を整理すると、以下の3つです。

  • コーティングは使うほどすり減る消耗品
  • 硬いものが当たった傷が剥がれのきっかけになる
  • 調味料や研磨剤で傷みが進む

コーティングは使うほどすり減る消耗品

内釜の表面を断面で見て、使い始めのコーティングが使うほど薄くすり減り、やがて剥がれる流れを3段で示したイラスト

内釜のコーティングは、正しく扱っていても使うほど少しずつすり減ります。象印の取扱説明書が示す内釜の内面のフッ素被膜も、使用により消耗し、色むらができたり剥がれたりすることがある部材です。

内釜のコーティングの寿命は何年かという疑問に対して、象印とパナソニックの案内は年数を示さず、使用により消耗・摩耗するという説明にとどまります。研ぐ回数やしゃもじが触れる回数は家庭ごとに違うため、同じ機種でも剥がれが目立つまでの期間は扱い方しだいです。年数の手がかりになるのは内面のフッ素加工の保証期間で、象印のNW-QA型は3年、パナソニックは機種により3年か5年と定めています。

パナソニックの場合、保証期間は取扱説明書どおりに使っていて剥がれたときに対応を受けられる期間を指し、期間を過ぎると剥がれるという意味ではありません。長持ちさせる工夫は、すり減る速さを落とすことに尽きます。

硬いものが当たった傷が剥がれのきっかけになる

内釜の表面を断面で見て、硬いものが当たってコーティングに入った傷を起点に、剥がれが周りへ広がる様子を示したイラスト

剥がれのきっかけになりやすいのが、硬いものが当たって内釜の表面にできた傷です。傷が入った部分は膜が薄くなったり切れたりしているため、洗うたびのこすれや調味料の影響を受けやすく、剥がれが広がる起点になります。

メーカーが例に挙げる硬いものは、金属製のおたまやスプーン、金属製のざる、食器類です。パナソニックは、金属製の食器やたわしによる擦り傷と摩耗、内釜を洗い桶代わりにしたりしゃもじでたたいたりしてできた深い傷を、保証期間内でも有料になる傷の例として示しています。

金属に比べて柔らかい樹脂製のしゃもじでも、ご飯をよそうたびに縁をたたけば同じ場所に衝撃が重なります。指輪や腕時計が内釜に当たる傷もパナソニックが注意を呼びかけているもので、手で研ぐ場面や洗う場面では手元の装身具にも気を配りたいところです。

調味料や研磨剤で傷みが進む

内釜の表面を断面で見て、研磨剤の粒が汚れを削り落とすときにコーティングの表面まで削ってしまう様子を示したイラスト

酢や塩などの調味料と、研磨剤入りの洗剤やたわしは、内釜のコーティングの傷みを早めます。パナソニックは内釜の中で調味料を混ぜる使い方を剥がれや傷付きの原因に挙げ、調味料を使うと傷が進行することもあると説明しています。

調味料の影響は内釜に触れている時間でも変わり、炊き込みご飯を内釜に入れたまま長く置く使い方も、メーカーが剥がれの原因に挙げる扱いの1つです。料理に使う調味料を避けることはできないため、内釜に触れる場所と時間を減らす扱い方が対策の中心です。

洗う側では、みがき粉や研磨剤入りの洗剤、金属やナイロンのたわし、メラミンスポンジに注意が要ります。研磨剤は細かな粒で汚れを削り落とす成分なので、汚れと一緒にコーティングの表面まで削ってしまう点が問題です。象印はシンナーやベンジン、漂白剤も含めて、内釜のお手入れに使わないよう求めています。

内釜で米を研いでもよい?コーティングを傷めない研ぎ方

内釜の米は手かボウルで研ぐの図解: 研げる機種か確かめずに研ぐ→取扱説明書で洗米の可否を確認、泡立て器や金属のざるで研ぐ→泡立て器を使わず手で研ぐ、石などの異物を残したまま研ぐ→研ぐ前に異物を取り除く、長く使いたいのに毎回内釜で研ぐ→別のボ

内釜で米を研いでも良いかの答えは機種によって変わり、研げる機種でも、研ぎ方しだいで内釜のコーティングの減り方に差が出る点に注意が必要です。パナソニックはIHジャー炊飯器なら内釜で洗米(米を研いで洗うこと)ができるとしたうえで、長く使いたい場合は別の容器で研ぐようすすめています。

洗米は炊飯のたびに繰り返すため、1回ごとの小さなこすれが積み重なりやすい場面です。研ぐ前に機種の可否を確かめ、使う道具と研ぐ場所を選ぶだけで、内釜にかかる負担を軽くできます。

内釜のコーティングを守りながら米を研ぐための確認事項は、以下のとおりです。

  • 内釜で研げるかどうかは機種で決まる
  • 泡立て器や金属のざるを使わず手で研ぐ
  • 長く使いたいなら別のボウルで研ぐ

内釜で研げるかどうかは機種で決まる

内釜で米を研げるかどうかは、炊飯器の種類と機種で決まります。パナソニックの案内では、IHジャー炊飯器(電磁誘導加熱で内釜自体を発熱させる、IH方式の炊飯器)は内釜で洗米できる一方、電子ジャー炊飯器とミニクッカー「SR-MC03」は内釜で洗米できません。

内釜で洗米できない機種では、別の容器で研いでから内釜に移す使い方が前提になります。見た目が似ていても加熱の方式や内釜の作りは機種ごとに違い、同じメーカーの炊飯器に買い替えても、以前と同じ使い方ができるとは限りません。

ほかのメーカーの炊飯器も含め、内釜で研げるかどうかは取扱説明書の内釜やお手入れの説明で確かめられます。手元に取扱説明書が無いときは、本体に表示された型番をもとに、メーカーのサイトで取扱説明書を探して洗米の可否を確かめる方法が確実です。

パナソニックの場合はIHジャー炊飯器なら内釜で研げるため、洗米のたびに別の容器を用意する手間を省きたい人は、炊飯器を買い替える際にIH炊飯器を候補に入れると選びやすくなります。IH炊飯器への買い替えを考えているなら、以下の記事を参考にしてください。

泡立て器や金属のざるを使わず手で研ぐ

内釜で研ぐときは、泡立て器や金属製のざるを使わず、手で研ぐのが基本です。パナソニックはフッ素加工の剥がれや傷付きを防ぐため泡立て器などで洗米しないよう求めており、象印も泡立て器での洗米と、金属製のざるを内釜にあてての洗米をしないよう取扱説明書に書いています。

泡立て器を使うと、細い金属の線が米と一緒に内釜の底や側面をこすりながら回ります。手早く研げる反面、内釜の表面をこする回数と力は手で研ぐより増え、毎日の洗米で傷が重なりやすい研ぎ方です。パナソニックは泡立て器で米を研いだ場合の剥がれを、保証期間内でも有料になる例に挙げています。

研ぐ前に、米に混じった石などの異物を取り除いておくことも象印が求めている注意です。手で研いでいても、硬い粒が指と内釜の間に挟まれば表面に傷がつきます。米を内釜に入れたら、水を注ぐ前に表面を軽く見て異物が無いかを確かめておくと安心です。

長く使いたいなら別のボウルで研ぐ

米をボウルで研いでから内釜に移し、内釜の目盛りまで水を加える流れを横から見て示したイラスト

内釜のコーティングをできるだけ長持ちさせたいなら、米は別のボウルで研ぐ方法が確実です。パナソニックは、フッ素は使用により摩耗するため、長く使う場合は別容器での洗米をすすめています。

別の容器で研ぐ利点として、パナソニックは2つを挙げています。1つは繰り返しの洗米による摩耗を内釜から切り離せること、もう1つは指輪や腕時計が内釜に当たってできる傷を避けられることです。内釜で研ぐ場合との違いは、米をかき混ぜるときのこすれと衝撃をボウルが受け止める点にあります。

象印の取扱説明書も、おいしく炊くための米の洗い方として、ボウルにためたたっぷりの水で手早くすすぎ、水はすぐに捨てる方法を紹介しています。研ぎ終えた米を内釜に移し、目盛りに合わせて水を加えれば、水加減は内釜で研ぐ場合と変わりません。

一方で、ボウルとざるを洗う手間は毎回増えます。時間の無い日は内釜で手早く研ぎ、余裕のある日はボウルで研ぐといった使い分けでも、内釜にかかる負担は確実に減らせます。

コーティングを傷めない内釜の洗い方

内釜は4つの手順でやさしく洗うの図解: 1. 冷めてから洗い始める → 2. こびりつきは水でふやかす → 3. 柔らかいスポンジで洗う → 4. 外側の水滴をふいて戻す

内釜のコーティングを傷めない洗い方は、柔らかいスポンジを使い、汚れが気になるときは台所用中性洗剤を足して、こすらずにやさしく洗うことが基本です。象印は炊飯や保温のあとに毎回お手入れするよう求めており、汚れを残さないことと、強い道具を使わないことの両方が欠かせません。

汚れを早く落とそうとして硬いたわしや研磨剤入りの洗剤に手が伸びると、内釜のコーティングを自分の手で削ることになります。こびりつきは水でふやかせば柔らかいスポンジで落とせるので、強い道具に頼る必要はありません。

内釜を傷めずに洗うために知っておきたい洗い方の要点は、以下の4つです。

  • 柔らかいスポンジと台所用中性洗剤で洗う
  • こびりついたご飯粒は水でふやかしてから落とす
  • 使わないほうがよい洗剤・たわし・スポンジ
  • 食器洗い乾燥機や食器乾燥器には入れない

柔らかいスポンジと台所用中性洗剤で洗う

両面スポンジで内釜を洗うとき、柔らかい面を当てるのは良く、硬いナイロン面を当てると擦り傷がつくことを見比べたイラスト

内釜は、柔らかいスポンジでやさしく洗います。象印の取扱説明書は、内釜を柔らかいスポンジなどで洗い、汚れが気になる場合は台所用中性洗剤を使うよう案内しており、たたいたりこすったりせずにていねいに扱うよう添えています。

スポンジは柔らかい面を使うのが前提です。両面タイプのスポンジの硬いナイロン面は、象印が内釜に使わないよう挙げているものの1つで、裏返したまま洗う癖があると、気づかないうちに擦り傷をつけてしまいます。

調味料を使ったときは、時間を置かずに洗います。象印は調味料を使った場合はすぐに洗うよう求めており、パナソニックの案内も、炊き込みご飯など調味料を使ったら早めに洗うという内容です。

お手入れは本体と内釜が冷めてから行うよう象印は求めており、熱いうちに触れるとやけどのおそれがあります。洗い終えたら内釜の外側の水滴をふき取ってから本体に戻すと、本体内部に水が入って故障や表示部のくもりを招くのを防げます。

こびりついたご飯粒は水でふやかしてから落とす

内釜に張り付いたご飯粒を水でふやかし、指で押してつぶれるほど柔らかくなったら洗い始める流れを示したイラスト

内釜のこびりつきは、こすり落とさずに水でふやかしてから柔らかいスポンジで落とすのが正解です。象印は、乾燥したご飯粒などがこびりついている場合は水に浸してふやかしたあと、柔らかいスポンジなどで洗うよう案内しています。

乾いたご飯粒はでんぷんが固まって内釜に張り付いており、乾いたまま爪やスポンジの硬い面でこすると、強い力が内釜の表面に直接かかります。水を張って時間を置けばご飯粒が柔らかくなるので、落とすにはスポンジでなでる程度の力で十分です。ご飯をよそい終えたら早めに水を張っておくと、ご飯粒が乾いて張り付く前に落としやすくなります。

ふやかす時間は汚れの量で変わるため、ご飯粒を指で押してみて、つぶれるほど柔らかくなっていれば洗い始めの合図です。柔らかくなる前にスポンジに力を込めるとふやかした意味が薄れるので、落ちにくい部分は水を足してもう少し待つほうが内釜を傷めずに済みます。

使わないほうがよい洗剤・たわし・スポンジ

内釜に使わないほうが良いのは、みがき粉、研磨剤入り洗剤、漂白剤、金属やナイロンのたわし、メラミンスポンジ、スポンジのナイロン面です。象印はシンナーやベンジンも含めて内釜のお手入れに使わないよう求めており、パナソニックもみがき粉や金属たわし、ナイロンたわしで洗ったりこすったりした場合の剥がれを、保証期間内でも有料になる例に挙げています。

使わないもの内釜を傷める理由
みがき粉・研磨剤入り洗剤細かな粒が汚れと一緒にコーティングの表面を削る
金属・ナイロンのたわし硬い繊維が表面に擦り傷をつける
メラミンスポンジ硬い網目で汚れを削り取る仕組みのため、表面も削る
スポンジのナイロン面柔らかい面より硬く、擦り傷の原因になる
漂白剤・シンナー・ベンジン表面の変色や劣化の原因になると象印が説明している

内釜にメラミンスポンジを使って良いかという疑問には、使わないのが答えです。メラミンスポンジ(メラミン樹脂を細かな網目状に固めたスポンジ)は硬い網目で汚れを削り取る仕組みのため、水だけで焦げや茶色い汚れが落ちる反面、内釜のコーティングまで同じように削ってしまいます。

重曹のように、メーカーの一覧に名前の無い洗浄剤を使いたいときは、手元の取扱説明書で使えるかを確かめてからにすると確実です。研磨の働きがある洗浄剤かどうかがわからないまま試すより、柔らかいスポンジと台所用中性洗剤で足りるかを先に試すほうが、内釜を傷めずに済みます。

食器洗い乾燥機や食器乾燥器には入れない

内釜は、食器洗い乾燥機(食洗機)にも食器乾燥器にも入れません。象印は内釜を食器洗い乾燥機や食器乾燥器に入れないよう求めており、お手入れの説明では傷や変形、変色の原因になると理由を挙げています。

内釜を食洗機で洗えるかどうかは手間を減らしたい人ほど気になる点ですが、食洗機は高温の湯と専用の洗剤を勢いよく吹き付けて洗う仕組みで、庫内ではほかの食器と内釜がぶつかることもあります。柔らかいスポンジで手洗いする場合と比べると、内釜の表面にかかる負担が大きい洗い方です。

変形は剥がれ以上に避けたいもので、パナソニックは内釜が変形すると炊飯性能に影響し、本体の不具合につながることがあると説明しています。食洗機を使う家庭でも内釜だけは手洗いに分け、機種ごとに案内が異なる場合に備えて、手元の取扱説明書の記載を優先すると確実です。

フッ素加工を傷めない使い方

フッ素加工は器や道具を替えて守るの図解: 内釜の中で酢や塩を混ぜる→ボウルや飯台に移して混ぜる、食器を入れてつけ置きする→浸けるのは内釜だけにする、しゃもじで内釜の縁をたたく→ご飯粒は器に盛るときに落とす、内釜ごと電子レンジにかける→耐熱の

内釜のコーティングは、研ぐ場面や洗う場面のほかに、混ぜる、浸ける、入れたまま置く、よそう、加熱するといった場面でも傷みます。それぞれの場面で避けたい扱いは、メーカーが内釜のフッ素加工を傷める扱いとして挙げているもので、パナソニックはすべてを保証期間内でも有料になる例に含めています。

料理の流れの中で何気なくしてしまう動作が多い一方、別の器に移すか道具を替えるだけで避けられるものがほとんどです。内釜の中で済ませていた作業を1つずつ外に出していくと、フッ素加工の減り方を抑えられます。

メーカーの注意をもとに、フッ素加工を傷めない使い方を以下の5つにまとめました。

  • 酢や塩・ふりかけはボウルや飯台に移して混ぜる
  • つけ置きは内釜だけにして食器は入れない
  • 炊き込みご飯は早めに別の容器へ移す
  • しゃもじで縁をたたかず、金属のおたまは使わない
  • 内釜の加熱は炊飯器だけにする

酢や塩・ふりかけはボウルや飯台に移して混ぜる

酢飯(すし飯)やふりかけご飯は、内釜の中で混ぜずに、別のボウルや飯台(すし飯を作るための木の桶)に移してから混ぜるのが基本です。パナソニックは、内釜で塩やふりかけ、酢を混ぜるとフッ素加工の剥がれや傷付きの原因になると案内しており、象印もすし飯などを作るときに内釜で酢を混ぜないよう求めています。

内釜で酢飯を混ぜると、調味料が表面に触れることに加えて、しゃもじを何度も動かす混ぜる動作まで内釜の中で続く点が問題です。象印は、内釜の中で酢を使った場合のフッ素加工のふくれや剥がれを、保証期間内でも有料修理になる例に挙げています。

炊飯器に「すしめし」のメニューがある機種でも、内釜の役目は炊き上げるところまでです。象印のNW-QA型も「すしめし」のメニューを備えつつ、内釜で酢を混ぜないよう注意しているので、合わせ酢は移した先の器で混ぜるのが正しい流れになります。

つけ置きは内釜だけにして食器は入れない

つけ置きするときは内釜だけを浸け、スプーンや食器は入れないのが基本です。内釜を洗い桶(洗い物をまとめて浸けておく容器)の代わりにするのは避けたい使い方で、象印は内釜にスプーンや食器類を入れないよう求め、食器洗いのためにスプーンや食器などの硬いものを入れたり洗ったりした場合の剥がれを、有料修理の例にしています。

水を張った内釜に食器を入れると、出し入れのたびに食器の縁やスプーンの先が内釜の底や側面に当たります。パナソニックが保証期間内でも有料になる傷の例として示しているのも、内釜を洗い桶代わりにしてできた深い傷です。

ご飯粒をふやかすために内釜に水を張ること自体は、象印が案内している手入れの方法です。ほかの洗い物は別の洗い桶やシンクで浸けると、内釜の中で硬いものがぶつかる心配がなくなります。

炊き込みご飯は早めに別の容器へ移す

炊き込みご飯など調味料を使って炊いたご飯は、内釜に入れたまま長く置かず、早めに別の容器へ移して内釜を洗う流れが理想です。パナソニックは、調味料を使ったご飯を長時間入れたままにしたり、洗うまでに時間がかかったりした場合の剥がれを、保証期間内でも有料になる例に挙げています。

象印も、炊き込みご飯など調味料を使ったものを保温した場合のフッ素加工の剥がれを有料修理の対象とし、具や調味料を加えて炊いたご飯の保温をしないよう取扱説明書で求めています。保温を続ければ、調味料を含んだご飯が温かいまま内釜の表面に触れ続けるため、傷みが進みやすい状態です。

残った炊き込みご飯は、器や保存容器に移しておけば内釜をすぐに洗えます。炊き込みご飯の日に限っては、食べ終わるまで内釜に入れておく習慣をやめ、よそい終えたらすぐ移すと決めておくと、調味料が残る時間を確実に短くできます。

しゃもじで縁をたたかず、金属のおたまは使わない

ご飯をよそうときは、しゃもじで内釜の縁をたたかず、おかゆなどをすくうときも金属製のおたまは使いません。パナソニックはしゃもじのご飯を取るために内釜のふちをたたかないよう案内しており、象印も、よそうときにしゃもじなどでたたかないことと、おかゆなどで金属製のおたまを使わないことを内釜の注意に挙げています。

しゃもじによる内釜の傷は、1回の衝撃が小さくても、よそうたびに同じ縁に当たって重なっていくのが厄介な点です。しゃもじに付いたご飯粒は、器に盛るときに一緒に落とすか、別の皿の上でぬぐうようにすれば、内釜をたたかずに済みます。

象印のNW-QA型にはしゃもじが付属しており、部品として買い直せるよう部品番号も示されています。金属製のおたまやスプーンでご飯をよそうのは避け、付属のしゃもじを使うほうが、内釜に当たる道具の硬さを抑えられて安心です。

内釜の加熱は炊飯器だけにする

内釜を加熱するのは、炊飯器の中だけと決めておくのが基本です。内釜は炊飯器で使うための部品で、ガス火やIHクッキングヒーター、電子レンジでは使えません。パナソニックはガス火やIHクッキングヒーター、電子レンジなど炊飯器以外での使用を保証期間内でも有料になる例に挙げており、象印も内釜を炊飯ジャー以外では使わないよう求めています。

内釜を電子レンジで使えるかという疑問への答えも同じで、冷めたご飯を温め直すときは耐熱の器に移してから電子レンジにかけます。象印のNW-QA型のように、炊飯器側にご飯を温め直す再加熱の機能を備えた機種もあり、内釜に入れたまま温めたい場合は炊飯器の機能を使うのが筋です。

反対に、専用の内釜以外の鍋を本体に入れて使うことも、鍋が過熱したり異常動作が起きたりする原因になるとして象印は禁じています。内釜と本体は組み合わせて使う前提の部品で、どちらも本来の組み合わせ以外で加熱しないことが、内釜と本体の両方を守る近道です。

剥がれた内釜は使い続けてよい?内釜だけの交換と保証

剥がれた内釜は使える・変形なら交換の図解: 剥がれだけなら使える、こびりつきが残る、内釜が変形した、保証期間内の剥がれ、フッ素加工の保証

内釜のコーティングが剥がれても、象印とパナソニックはどちらも炊飯や保温を続けて問題ないと案内しています。交換を考える目安は剥がれの有無より、こびりつきが気になるかどうかと、内釜が変形していないかどうかの2点です。

保証期間内なら、取扱説明書どおりに使っていて剥がれた内釜を交換してもらえる場合があります。剥がれに気づいたら購入日と保証期間を確かめ、使い続けるか、内釜だけを買い替えるか、保証で交換するかを決めると無駄がありません。

コーティングが剥がれたときに判断したい内釜の交換と保証のポイントは、以下の4つです。

  • 剥がれても炊飯や保温の性能に支障はない
  • 剥がれたフッ素を食べたときのメーカーの案内
  • こびりつきや変形が気になったら内釜だけを買い替える
  • 内面のフッ素加工には保証期間がある

剥がれても炊飯や保温の性能に支障はない

内釜の表面を断面で見て、コーティングが剥がれた所に米のでんぷんがこびりついて焦げ、茶色く見える仕組みを示したイラスト

炊飯器の内釜は、コーティングが剥がれても使えます。象印の説明でも、内釜のフッ素被膜に色むらができたり剥がれたりしても性能や衛生上の支障はなく、炊飯や保温をするうえで問題なく使えるという扱いです。パナソニックも、内側のフッ素加工や外側の塗装が剥がれても炊飯性能への影響はないとしています。

剥がれた部分のご飯が茶色くなるのは、錆びではありません。パナソニックによると、フッ素が剥がれた箇所に米のでんぷん質がこびりつき、焦げやすくなるために茶色く見えます。金属の錆びが出たと誤解して、内釜をすぐに処分する必要はないわけです。

ただし、茶色いこびりつきが炊くたびに出て、洗う手間が増えてきた場合は話が別です。パナソニックは、フッ素加工の剥がれによるこびりつきが気になる場合を、内釜の買い替えをすすめる場面に挙げています。使えるかどうかと手間なく使い続けられるかどうかは分けて考え、洗ってもこびりつきが残るようになったら交換を検討する時期です。

剥がれたフッ素を食べたときのメーカーの案内

剥がれたフッ素をご飯と一緒に食べてしまった場合について、パナソニックは、フッ素は人体には吸収されずに排出され、体内に残ることはないと説明しています。象印も、内釜のフッ素被膜の剥がれについて、人体への影響(害)はないとしています。どちらも、剥がれた内釜を使い続けて良いかを判断するためにメーカーが公式に示している説明です。

内釜の剥がれが体に悪いのではと心配になったときは、メーカーが示している説明の範囲で受け止めるのが確実です。体調に関わる心配がある場合は、使っている炊飯器のメーカーの相談窓口や医療機関に確かめると、状況に合った答えを得られます。

剥がれが広がり、ご飯に細かな破片が混じるのが気になる場合は、体への影響とは別に、気持ちよく食べられるかどうかを理由に内釜を替えても構いません。内釜の交換は保証や部品の購入で対応でき、本体まで買い替える必要はありません。

こびりつきや変形が気になったら内釜だけを買い替える

炊飯器の本体はそのまま残し、変形した内釜だけを新しい内釜に買い替える流れを示したイラスト

内釜は部品として単品で買えるため、こびりつきや変形が気になったら、本体を残して内釜だけを買い替える方法があります。内釜の交換を考えるきっかけとして、パナソニックは内釜の変形とフッ素加工の剥がれによるこびりつきを挙げ、象印は剥がれが気になるときと内釜が変形したときを挙げています。

変形した内釜は、剥がれと違って使い続けないほうが安全です。パナソニックは、内釜が変形すると炊飯性能に影響し、本体の不具合につながることがあると説明しています。象印の取扱説明書も、ご飯がひどく焦げる、炊飯中にふきこぼれる、蒸気がもれるといった症状の確認項目に、内釜の変形を挙げています。

内釜を買うときに最初に確かめたいのは、本体の型番です。象印のNW-QA型では取扱説明書に内釜の部品番号が載っており、1.0Lサイズは「B585-6B」、1.8Lサイズは「B586-6B」と容量ごとに分かれています。象印の案内では、製品の型名と部品名を確かめたうえで、購入した販売店で求めるのが手順です。

パナソニックは内釜を販売店か公式の通販サイトで購入できるとし、本体の品番から適合する内釜の部品品番を調べられるようにしています。ただし、機種によっては後継の部品品番に替わっていたり、長く使っている炊飯器の内釜は供給が終わっていたりする場合があります。内釜が手に入らないときや本体の不調も重なっているときは、本体ごと買い替える時期です。

本体ごと買い替える場合の炊飯器は、以下の記事でブランド別に紹介しています。

内面のフッ素加工には保証期間がある

炊飯器の保証期間を帯の長さで比べ、本体の1年に対して内釜の内面のフッ素加工が3年と長い一例を示したイラスト

内釜の内面のフッ素加工には、本体とは別に保証期間を設けている機種があります。パナソニックは内面のフッ素加工に購入日から3年または5年の保証期間を商品ごとに定めており、象印のNW-QA型は本体の1年に対して、内釜の内面のフッ素加工を3年としています。

項目象印(NW-QA型の例)パナソニック
内面のフッ素加工の保証期間3年3年または5年(機種による)
本体の保証期間1年–
期間の数え始めお買い上げの日本体の購入日
期間内でも有料になる主な使い方硬いものを入れる・研磨剤やたわし類で洗う・内釜で酢を使う・調味料を使ったものの保温研磨剤やたわしで洗う・泡立て器で研ぐ・しゃもじでたたく・酢や塩を混ぜる・洗い桶代わり・炊飯器以外での加熱

保証の対象は、取扱説明書の内容を守って使っていたのに剥がれた場合だけです。パナソニックは、内釜が変形した場合や外側の塗装が剥がれた場合を保証の対象外とし、保証期間を過ぎたあとは保証内での対応ができないとしています。研磨剤やたわしで洗う、内釜で酢を混ぜるといった使い方をしていた場合は、期間内でも有料です。

パナソニックで保証を使うときは、炊飯器の本体に保証書を添えて購入した販売店に持ち込みます。保証書に購入日が無い場合は、販売店の書類や納品書、領収書、レシートなどで購入日を確かめます。交換のあいだに代わりの炊飯器を借りることはできないため、冷凍ご飯を作っておくなどの準備をしてから依頼すると困りません。

まとめ

炊飯器の内釜のコーティングは使うほどすり減る消耗品で、長持ちさせるには減り方を遅くする扱い方を毎日続けることが基本です。剥がれのきっかけは硬いものが当たる傷と、調味料や研磨剤による傷みで、研ぐ、洗う、混ぜる、よそう、加熱するの場面ごとに避けたい扱い方がはっきりしています。

覚えておきたい目安は3つあります。内釜で研げるかは機種で決まり、長く使うなら別のボウルで研ぐ方法が確実です。洗うときは柔らかいスポンジと台所用中性洗剤を使い、メラミンスポンジや食洗機は避けます。剥がれても炊飯や保温には使えますが、変形したら交換を考え、内面のフッ素加工の保証期間が3年または5年(パナソニック)、3年(象印のNW-QA型)であることを確かめておくと迷いません。

扱い方を一度に全部変える必要はなく、しゃもじで縁をたたかないことと、スポンジの柔らかい面で洗うことから始めるだけでも、内釜の減り方は変わります。

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この記事を書いた人

美味しいご飯を食べることを生きがいとする炊飯器おたくです。ご飯の炊き方にこだわり続け、自分の理想の炊飯器を探し続けてきました。このサイトでは、スペック表だけではわからない炊飯器のブランドやモデルの違い、用途・機能別のおすすめモデルをわかりやすく紹介しています。

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